「最小の軌道ロケット」ギネス認定 JAXA
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、今年2月に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打上げた同機構のロケット「SS-520」5号機が、「最小の軌道ロケット」としてギネス世界記録に認定されたと発表した。
この5号機は、2段式の観測ロケット「SS-520」をベースに、衛星打ち上げ用の第3段を搭載できるように改良した小型ロケット。全長9.54m、直径0.52m、重量は2600kgで、搭載していた約3kgの超小型衛星「たすき」の軌道投入に成功した。全長9.54m、直径0.52mであることが最小の記録として認められた。
プロジェクトマネージャーである羽生宏人氏は、「わが国の科学技術水準の高さ、そして永年培ってきたロケット開発および運用の基盤があったからこそ、世界に例のないほどに小さな衛星打上げ用ロケットが実現されたのだと思います。この成果を活かし、さらなる技術の高度化を目指したいと思います」とコメントした。
JAXAは5号機の開発を通し、国際競争力のある超小型衛星および超小型打上げシステムの実現に向けて、参画した民間企業も含め、小型・低コスト・短期間での開発を行うための技術を獲得するとともに次世代の人材育成に寄与した。今後この成果を、宇宙での実験・観測、将来輸送技術分野等において活用していくとしている。