AIでがん治療法を診断 近大とSBI生命が臨床研究開始
近畿大学とSBI生命は7日、人工知能(AI)を活用したがん遺伝子パネル検査の実施可能性を問う臨床研究を14日から開始すると発表した。
がん遺伝子パネル検査は、患者の微小ながん組織や血液から遺伝子情報を解析して、最適な治療法を診断するもの。これにより、がんの標準療法が利かなくなった場合でも、効果が期待できる薬物治療を見つけられる可能性があるという遺伝子検査技術だ。同大医学部ゲノム生物学教室は、「近大クリニカルシークエンス」プロジェクトとしてこれまで、1000件以上のがん組織サンプルの遺伝子解析を実施してきた。
今回の臨床研究では、さらにAI(コグニティブ・コンピューティング・システム)の技術を取り入れて、患者一人一人に適した抗がん剤とその標的となる遺伝子を解析する。さらに一連のプロセスにおいて、SBI生命はこの検査の費用負担軽減につながる新たな保険商品の開発を検討し、より最適ながんゲノム医療提供体制の構築を目指す。
臨床研究の対象となるのは同大医学部付属病院で治療中のがん患者30人の予定で、定員数に達し次第登録は終了する。他の医療機関からの登録を希望する場合は、かかりつけの医療機関を通じて同大医学部付属病院への連絡が必要となる。
(写真はイメージ)
参考記事
近大とSBI生命、AIによるがんゲノム治療体制を構築(2018/03/28)