「はやぶさ2」が小惑星リュウグウ到着に向けて撮影に成功
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、小惑星リュウグウ到着に向けて運行中の小惑星探査機「はやぶさ2」が、光学航法を行うため11日にイオンエンジンをいったん停止し、目的地の小惑星リュウグウの撮影に成功したと発表した。「はやぶさ2」は6月下旬~7月上旬にリュウグウ到着の予定。
「はやぶさ2」は2014年12月3日に打ち上げられ、1260日かけて30.9億kmを飛行。16日23時の時点でリュウグウまで残り5万3545kmとなった。
通常、探査機の軌道は電波による通信で推定し、これを電波航法という。「はやぶさ2」が6月下旬~7月上旬にリュウグウに到着するに当たり、探査機の軌道とリュウグウの軌道をより正確に知るために、探査機からリュウグウの方向を撮影した。写っていたリュウグウの位置を正確に計測し、そのデータも利用して、探査機とリュウグウの軌道を推定するのが光学航法だ。
冒頭の写真で黄色の丸で囲まれた天体がリュウグウ。撮影はほぼ1日おきに3回行われ、日本時間で右から12日1時頃、13日2時頃、14日1時頃に行われた。リュウグウが右から左へと移動しているのが分かる。Pscとはうお座の略符で、探査機から見てうお座の方向にリュウグウがある。1回の撮影では、数時間の間に3枚の画像を取得し、撮影はすべて成功したという。
画像提供:JAXA、京都大学、日本スペースガード協会、ソウル大学