「バーチャル平安京AR」アプリリリース よみがえる平安京の景色
立命館大学文学部の矢野桂司教授は、平安京の景観CG(コンピュータ・グラフィックス)をAR(拡張現実)技術を用いてスマートフォンのカメラ映像に合成、当時の景観を現在によみがえらせるスマートフォン・アプリ「バーチャル平安京AR」(Android版)をキャドセンターと共同開発した。4日よりGoogle Playで提供を開始した。
これまで矢野教授とキャドセンターは、「バーチャル京都」として現代に加え、平安時代や江戸時代の京都の景観を3次元都市モデルとして取り込み、Web上に3次元の地図を再現するサービスを提供してきた。今回リリースした「バーチャル平安京AR」アプリは、端末の現在位置追従をONにして利用することで、「バーチャル京都」の3次元技術とGPSによる位置情報を活用できる。
アプリを起動して京都の風景にスマートフォンをかざすと、天皇在所の大内裏内(南北約1.4km×東西約1.2km)の施設をAR表示で体験できるほか、朱雀門から羅城門までの南北約4kmにわたる朱雀大路上の8箇所の地点とJR京都駅前の10分の1スケールの羅城門模型に設置されたARマーカーにより、その場の360度VR表示で平安京の眺めを体験できる。
メニューで「AR」を選択すると、平安京の大内裏の範囲を対象とし、現在の景観にGPSによる位置座標と連動した平安時代の3次元都市モデルを重ねて見ることができる。大内裏内の地図が表示されるので、どちらを向いているのかも分かるようになっている。10秒間隔で現在地が更新されるため、移動にも対応できる。「VR」を選択すると、朱雀門から羅城門までの各大路の景観について、360度のCG画像をジャイロ連動で見渡すことができる。「KYOTO STATION」については、京都駅烏丸口にある羅城門10分の1サイズの模型の画像をかざすことで、羅城門南側の平安京外からの360度CG画像を疑似体験できる。