CTやMRIなど医用画像が見られる無料アプリ開発
科学技術振興機構(JST)は12日、東京大学医学部附属病院の脳神経外科の研究グループが、スマートフォンやタブレットで、CTやMRI、レントゲンX線検査など医用画像を手軽に閲覧できるアプリケーションを開発したと発表した。これまで難解な操作を必要とした医用画像情報を手軽に見ることができるようになり、遠隔医療、災害地や医療過疎地での医療の質向上が期待される。
レントゲンX線検査、CT、MRI、核医学検査などの医用画像は、病気の診断や治療方法の検討などにおいて重要な役割をもつ。しかし、医用画像は特殊なフォーマットで作成されており、医師や医学生でも高度な知識と難解な操作を要するソフトウェアを使用しなければ見ることができなかった。また、患者や家族がその画像をじっくり見る機会やツールは、今まで存在しなかった。
同研究グループが開発したアプリは、スマホやタブレットがあれば誰でもどこでも医用画像を見ることができる。これにより、病院外で簡単にすばやく医用画像を見ることが必要な遠隔医療や災害時などにおいて利用できるようになり、医療の質向上につながると期待される。また、患者が自身の医用画像をじっくり見ることができるようになり、医療従事者と患者との間で医用情報がより正確に共有されることが見込まれる。
このアプリは、12日にKompath(東京都文京区)から無料でリリースされ、現在はiPhone、iPadにのみ対応している。データの取り込みはiTunes経由で行い、医用画像の世界的標準規格(DICOM)フォーマットに対応しているほぼすべての医用画像の高速表示が可能で、医師にとって十分な機能を実装しているという。