イランで女性のサッカー観戦が37年ぶりに実現 パブリックビューイングで
イスラム教シーア派の教義を理由に、スタジアムでの女性のサッカー観戦を禁じていたイランで20日、37年ぶりにこれが緩和され、女性客が男性客に混じってW杯のイラン戦をパブリックビューイング観戦した。ドイツのシュピーゲル・オンライン版が報じた。
イランでは、イスラム革命によって1981年を最後に、男性チームによるサッカー試合のスタジアム観戦を女性に対して禁じていた。しかし今回、ロシアで開催されているサッカーW杯で20日にイランがスペインと対戦、テヘラン市内のアザディ・スタジアムでパブリックビューイングが行われた際、ここでの女性客のサッカー観戦が可能になった。
同パブリックビューイングでは、2万枚のチケットが完売。しかしキックオフの3時間前に到着したファンは、スタジアムの門が警察官によって閉ざされており、「当局は、インフラを理由にパブリックビューイングを急きょ中止した」との発表を聞かされた。ファンたちはこれに対し、座り込みによる抗議行動を開始、警察官に交渉し、試合開始15分前にスタジアムの門が開かれるという事態があったという。
この歴史的な日の様子は、人権保護団体のイラン・ヒューマンライツや、イラン代表チーム公式アカウントのチーム・メリ・イランなどがツイッター投稿し、サッカー観戦に熱狂する女性たちの姿が伝えられた。
All they are asking for is to be treated as EQUALS. Women are posting photos of themselves inside #Iran's Azadi Stadium, where females have been banned from matches for decades. Today they were allowed to watch a live screening of @TeamMelliIran's #WorldCup match. pic.twitter.com/ydHgGOTbxd
— IranHumanRights.org (@ICHRI) June 20, 2018
ورزشگاه آزادی، هماکنون! pic.twitter.com/02j1CiBPVq
— Team Melli IRAN (@TeamMelliIran) June 20, 2018
ただし今後、実際のサッカー試合での女性の観戦が完全に解禁となるかどうかは、まだ不明だという。
(冒頭の写真はイラン代表チームツイッター公式アカウントより)