スマホ依存・ゲーム依存の危機感広がる 半数の人が使用制限を試みる
世界保健機構(WHO)は18日、最新の国際疾病分類を発表し、新たに「ゲーム障害」(ゲーム依存症)を病気として位置付けた。スマートフォンなどのゲームのやりすぎが、健康や生活に悪影響を与えているとして、麻薬使用やギャンブル常習行為の項目に加えた形となる。
一方、スマートフォンに対する依存も認知が広がっており、自ら使用を制限する人が増えている。
ドイツのオンライン統計調査会社スタティスタは20日、大手監査・コンサルティング企業のデロイトが2017年7月に米国人のスマートフォンユーザー1634人を対象に実施した調査を、同社のニュースレターで引用。スマートフォンの過剰使用による依存症の危険と、使用制限の必要を感じる人が多い実態を紹介している。同調査によると、1日の中でスマートフォンをチェックする回数は1人平均47回。また89%の人が起床後1時間以内、81%の人が就寝前1時間以内にスマートフォンをチェックしている。同様に92%の人が買い物中に、89%の人がテレビを見ている間にスマートフォンを見ている。しかしスマートフォンから絶え間なく流れてくる情報と刺激は仕事への集中力に大きな損害を与える傾向にあり、47%の人々はスマートフォンの使用を制限しようと試みている。人と会う時にスマートフォンをかばんやポケットの中にしまう人は38%、音声通知を切っている人が32%、1人でいる時にスマートフォンを鞄やポケットの中にしまっている人が27%、アプリを消している人が26%、夜中に電源を切っている人が26%だった。
初代iPhoneが2007年に登場して以来、スマートフォンは急速に人々の生活に浸透してきた。これに伴い、インターネットやアプリによるゲーム利用者も増加、スマートフォンやゲームへの依存や過剰使用が社会問題となっている。今回のWHOによるゲーム依存症疾病認定により今後、ゲームに触れるきっかけともなるスマートフォンについても、長短を分別した使用への対策が求められることになりそうだ。
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