15年ぶり火星大接近 2018年夏、宵空に赤く輝く

火星が地球に大接近 15年ぶり

夜明け前の3時ごろ、南の空を見上げると、赤い星が輝いているのに気が付くだろう。この赤い星は火星だ。今年は火星が地球に大接近するので、いつも以上に目立って見える。

火星の公転軌道はひしゃげた楕円形であるため、軌道上のどの位置で地球に接近するかで距離が変わる。火星はおよそ2年2か月ごとに地球に近づくが、2018年は15年ぶりの大接近となる。

7月1日の夜明け前には、月例16.9の満月を過ぎたばかりの月のすぐ左下に、マイナス2.2等と非常に明るい火星が見えるはずだ。7月31日には地球に最接近し、マイナス2.8等とさらに明るく輝く火星を見ることができるだろう。この時、地球と火星の距離は5759万kmとなるが、これは地球と太陽の平均距離の38.5%に相当する。ただし、最接近する午後4時50分の時点で日本にはまだ火星が空に昇っておらず、東京の場合午後6時51分に東から昇って午後11時32分に南中、午前4時18分に沈む。

火星は惑星なので、毎日決まった時間に星空を眺めると、星座の中を移動していくように見える。星座の中を西から東に順行していたのが、6月28日に動く向きを変えて逆行し始め、8月28日には再び向きを変えて順行に戻る。これは火星よりも内側の軌道を回っている地球が、外側を回っている火星を追い越すことで生じる現象だ。

次回、地球と火星の距離が6000万kmより近くなるのは、17年後の2035年9月11日。今回よりも更に近く、5691万kmになる見込みだ。今回の大接近で、明け方の空に火星を見上げてみていただきたい。