喫煙者の交通事故死亡リスクは1.5倍 東北大の研究結果
東北大学は4日、喫煙者が交通事故による死亡のリスクが高い傾向にあるという研究結果を発表した。喫煙が、がんや循環器疾患などによる死亡リスクを高めることは一般的に知られている。またこれまでの研究により、交通事故、窒息、火災といった不慮の事故、他殺、自殺といった外因死との関連も示されているが、交通事故による死亡と喫煙との関連を検討した研究は少なかった。
今回、東北大学は1993年当時の茨城県内38市町村における基本健康診査受診者、40~79歳の9万7078人を対象に、20年間追跡調査を行った。「非喫煙者」、「過去喫煙者」、「1日20本未満吸う現在喫煙者」及び「1日20本以上吸う現在喫煙者」の4つに分類し統計解析した結果、男性で1日20本以上タバコを吸う喫煙者は、非喫煙者と比べ交通事故による死亡のリスクが1.54倍高いことが分かった。なお、女性の喫煙者は少ないこともあり、統計解析を行うことはできなかった。
現在の日本では、運転中の携帯電話の使用は注意散漫や運転操作不適による交通事故を増やす可能性があることから、道路交通法で規制されている。一方で、運転中の喫煙に関しては、他国では、受動喫煙禁止の観点から車内での喫煙を既に規制している国もあるが、日本では無規制である。今回の追跡調査は、運転中の喫煙ではなく平素の喫煙習慣を用いているため、実際の運転中の喫煙が影響を及ぼして交通事故死する確率はもっと高いと推測される。この研究結果は、運転中の喫煙についても対策を検討する必要があることを支持するものとなった。
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