フランスパンにぴったり! 小麦の新品種「さちかおり」

フランスパンにぴったり! 小麦の新品種「さちかおり」

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は6日、フランスパン加工適性に優れる小麦の新品種「さちかおり」を育成したと発表した。従来のパン用品種「ミナミノカオリ」よりもふくらみが大きく、うまみ成分の多いフランスパンが作れる。

九州地域では以前から、食パンに適する「ミナミノカオリ」が栽培されていた。しかし、収穫期が夏の降雨時期に重なりやすいという問題と、実需者からのフランスパンに適する準強力小麦品種の開発を望む声もあった。そこで農研機構は、鳥越製粉(福岡県福岡市)と協力して新品種の育成に取り組んでいた。

新品種の「さちかおり」は九州地域等の暖地・温暖地向けの準強力小麦品種で、フランスパン加工適性に優れる。「ミナミノカオリ」より早生の品種で栽培しやすく、収量も約1割多くなっている。また「さちかおり」の方が「ミナミノカオリ」よりフランスパンの膨らみが大きく、うま味と甘味成分が高く、おいしいフランスパンが作れるのが特徴。「さちかおり」という名前は、パンの香りにあふれ、さち豊かな食卓が日本中に広がることを願ってつけられたという。

「さちかおり」は佐賀県みやき町を中心に一般栽培が開始され、今年からは小麦粉や加工品が販売される予定。

(写真はイメージ)