南北首脳会談の舞台・板門店ってどんなところ?【ニュースのコトバ解説】
韓国と北朝鮮による歴史的な南北首脳会談の舞台となった「板門店」。この板門店とは、いったいどのような場所なのでしょうか? 「板門店宣言」の名前となり、南北分断の象徴とされてきた板門店について解説します。
朝鮮半島の共同警備区域
「板門店(ハンモンテン/韓国語ではパンムンジョム)」とは、朝鮮戦争の停戦ラインである軍事境界線を中心とした一帯の呼び名です。38度線付近にある軍事境界線を挟んで、南北それぞれ2km、計4kmにわたる地域を、非武装地帯(DMZ)と呼びますが、板門店とはそのDMZの中に位置する直径800mの一帯を指します。ソウルから北に約50km、北朝鮮の
板門店は、韓国も北朝鮮も行政管轄権をもたない中立地帯で、政府認定のツアーでのみ訪問が可能です。板門店に入るにあたっては、パスポートの提示や訪問者宣言書への署名等が求められ、所持品も規制されます。また韓国人がこの場所を訪れるためには、国家情報院で申し込みをする必要があり、外国人よりもはるかに手続きが大変です。
板門店の名前の由来
板門店という名前の由来には諸説ありますが、これはもとからあった名前ではありません。朝鮮戦争前、ここはノルムンリという寒村で、一軒だけ食堂(居酒屋、またはタバコ屋だったなどの諸説あり)があるような場所でした。
休戦会談が1951年10月からノルムンリで行われ(当初は開城で行われていましたが、場所が移されました)、会談場所の目印にするため、その店を漢字で「板門店」と表記したとされます。これには、会談に参加する中国のためであったとか、中国人兵士がこのように書き表したとか諸説ありますが、それが正式名称となり、休戦会場の場所に決まったことで、一躍名前が知られるようになりました。
非武装地帯に生息する希少な動植物
独特な緊張感が漂い、朝鮮半島分断の象徴となっている板門店ですが、板門店を含むDMZは、人がほとんど立ち入らないために自然の生態系がそのまま保存され、希少な植物や野生動物が生息する、自然資源の宝庫ともなっています。この絶好の自然環境で作られた品質のよいDMZ米や水などが、DMZの名産品として販売されています。