世界遺産を訪れる 米国・グランドキャニオン
ユネスコの世界遺産には大きく分けて、文化遺産と自然遺産、またはその両方の条件を満たした複合遺産とがある。米国のグランドキャニオンは、その中でも自然遺産の代表格だ。雄大に広がる絶景は、世界中から訪れる人たちを魅了してやまない。
米アリゾナ州にあるグランドキャニオンは、7000万年前に隆起したコロラド高原が4000万年かけてコロラド川により浸食されて形成された。巨大な渓谷の長さは446kmで、東京-琵琶湖間の距離と等しい。谷の平均深さは1200mで、最も深い谷の深さは1800mになる。国土が広いアメリカだからこそのスケールを感じさせる。
グランドキャニオンは1919年に国立公園に指定され、1979年に世界遺産(自然遺産)に指定された。米国人はもちろん、世界各国から年間400万人もの観光客が訪れる、米国を代表する観光名所のひとつだ。
コロラド川を境に北側がノースリム、南側がサウスリムとなっているが、観光客のほとんどがサウスリムを訪れる。
ネバダ州ラスベガスから陸路で5時間かけて向かうと、辺りは乾燥地帯が広がっている。
飛行機を使うと約1時間で行くことができ、グランドキャニオンを眼下に見ながら移動することも可能だ。
グランドキャニオンの代表的なビューポイントであるマーサポイント(Mather Point)は、初代アメリカ国立公園局長であるステファン・マーサがその名の由来だ。この場所からは、美しい日の出が見られることで知られている。
地層は、太陽の光によって多様に様相を変化させる。自然の大作品が、太陽という自然のスポットライトの当たり方によってさまざまな表情を見せるのが興味深い。まるで異空間にいるかのような、神秘的で雄大な光景がそこには立ち現れる。
その他のビューポイントから撮影した写真
夕日に染まりだしたグランドキャニオン
グランドキャニオンに沈む夕日
人間が到底創り出すことができない大自然の景観を見ながら、地球の悠久の歴史に思いを馳せた。日常を忘れられるこのような大自然の中にいると、自分の日々の考えが小さいものであるということに気づかされた。