ご当地自慢を探せ! フィンランド編(3)トナカイの肉
トップの写真を一目見て、この食材が一体なんの肉なのか当てられる方はいるだろうか。
フィンランドといえばサンタクロースの国。そして、サンタを乗せて空を飛ぶ相棒がトナカイだ。そのイメージからするとやや衝撃的だが、フィンランドでトナカイの肉は、伝統的に食用として用いられている。スーパーマーケットを訪れると、魚の酢漬けや豚のパテなどの缶詰やジャーキーなどと並んで、トナカイの絵が描かれた缶詰を目にするほか、レストランのメニューでも、トナカイは肉料理のラインナップの中に「Reindeer」という名前で登場する。Reindeerという単語を知らなければ、メニューをパッと見ただけでは鹿(deer)の一種なのか? と考え込んでしまうが、フィンランドではごく一般的なメニューなのだそう。ヘルシンキ市内のレストランでは、「トナカイの肉は当店自慢の一品です」と紹介された。
トナカイの肉のステーキは、それ自体は牛レバーを思わせるような濃厚な味だが、酸味のあるソースが絡められ、脇に添えられた野菜やワサビと合わせると思ったよりもくどくなく、さっぱりした味わいだった。
「幸福度が高い国」として知られ、子どもたちの夢を運ぶサンタクロースの国フィンランド。一方で、厳しい自然や素朴な伝統文化、またその中で育まれたこの国ならではの食文化に触れる時に、ちょっぴりこの国の神髄に触れられたような気がした。