「残業減った」4人に1人 会社の制度変更が最多要因
総合人材サービスパーソルグループのパーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」のアンケート調査によると、4人に1人が1年前に比べて残業が「減った」と実感していることが明らかになった。
同調査は、2018年6月に20歳~59歳の正社員の男女を対象に実施されたもので、3000件の有効回答を得た。残業が「増えた」と回答した人は17.4%、1年前と比べて「変わらない」と回答した人は51.5%となり、全体としては「変わらない」という回答が過半数を占めているものの、「減った」という回答が「増えた」を上回り、26.3%となった。
残業が「減った」という回答の要因の中で最も多かったのは「会社の制度変更」で、37.7%と全体の4割近くを占めた。「昔はサービス残業が当たり前だったが、最近はなくなった」など、サービス残業を抑制する会社の制度導入による効果を実感する声が聞かれた。
一方、「働き方改革もあって残業を減らせと言われるが、結局は朝早く出勤したり、昼休みを短縮したりしている。改革になっていない」(事務・アシスタント/女性)など、働き方改革による効果を社員が実感できていないケースも少なくない。
会社の制度変更による残業の減少を感じている人の業種や職種の内訳を見てみると、業種では「金融」が16.8%と最も多く、次いで「IT・通信」と「メーカー(機械・電気)」が共に14.8%となった。
あるIT企業では、残業時間を減らした社員や有給休暇を取得した社員にインセンティブを与えるという制度を導入し、会社全体としての残業時間削減に成功している。投資判断も含めて経営陣が本腰を入れている会社ほど、効果が大きいようだ。
職種別で見ると「営業職」では26.9%、「技術職(SE・インフラ・webエンジニア)」では14.8%の人が、会社の制度変更による残業時間削減を実感している。営業職ではSFA(Sales Force Automation)と呼ばれる営業支援システムや、直接訪問ではなく電話やメールで営業を行うインサイドセールスを取り入れる会社が増えていることも、残業削減の要因の一つとして考えられる。
資料提供:パーソルキャリア(冒頭の写真はイメージ)