副業、許可企業と全面禁止企業が50%同士で拮抗 パーソル調査
総合人材サービスのパーソルグループのパーソル総合研究所は15日、副業実態・意識調査結果【企業編】を公表した。条件付きも含めて副業を許可している企業と全面的に禁止している企業の割合はそれぞれ50%で拮抗していることが分かった。
今回の企業調査は、2018年10月26日~10月30日に行われた。従業員10人以上の企業に所属する人事担当者1641人、副業許可企業300社と全面禁止企業700社からえた回答を集計・分析した。
副業の許可状況についての質問では、「全面的に許可している」は13.9%、「禁止していない(条件付きで許可)」は36.1%、「全面的に禁止している」は50.0%だった。条件付き許可を含む副業を認めている企業と全面禁止企業が50.0%同士と拮抗していた。また、企業が副業許可を始めた時期は3年以内が52.0%で、そのうち1年以内が22.8%、2~3年前が29.2%、4~6年前は22.8%、7~9年前は10.0%、10年以上前は15.1%で、3年以内に許可した企業が約半数となり、近年増加傾向にあることが分かった。
副業を全面禁止している企業の70.9%は今後も禁止を継続すると回答。禁止の理由で最も多いのは「過重労働につながるから」が49.2%で、次に「自社の業務に専念してもらいたいから」が47.0%、「疲労による業務効率の低下が懸念されるから」が43.6%と続いていた。副業許可の最も大きな壁となるのが過重労働に対する懸念といえる。過重労働について、同社は「副業者本人による労働時間のセルフマネジメントはもちろん必要だが、企業側でも対策を行う必要がある」とコメントした。
また、副業の全面禁止の割合は企業規模が大きくなるにつれて高くなる傾向があった。ただし、1000~1万人未満で全面禁止59.2%、企業規模1万人以上で同54.2%と下がった。また、設立年数が長い企業ほど全面禁止の割合が増加する傾向にあった。
画像提供:パーソルホールディングス(冒頭の写真はイメージ)