「小牧隕石」を新たに登録 昨年9月に愛知県で発見

「小牧隕石」を新たに登録 昨年9月に愛知県で発見

国立科学博物館、国立極地研究所、九州大学は2月27日、愛知県小牧市に落下した隕石の分類を確定し、「小牧隕石(Komaki)」として国際隕石学会に登録したと発表した。

この隕石は、2018年9月26日に愛知県小牧市の民家に落下したもの。午後10時30分ごろに大きな音がして、翌朝調べてみると屋根に大きなえぐれた跡があり、庭とテラスで黒い破片が発見された。また、隣家のカーポートの屋根に穴が開き、止めてあった車の屋根にもへこみができており、玄関前に黒い破片が発見された。国立科学博物館によるガンマ線測定の結果、宇宙線生成核種からのガンマ線が検出され、最近落下した隕石であることが確認された。極地研による鉱物組成の分析などによって、L6普通コンドライト(球粒隕石)に分類された。このグループの隕石は、日本で比較的多数発見されている。

九州大学による希ガスの分析の結果、隕石の生成年代が42~46億年前と、太陽系が形成された時期に一致し、元の天体から分かれて小さなかけらとなったのが2450~2570万年前と判定された。多くのLコンドライトがその年代を示し、この時期に元の天体が衝突で壊れて小さなかけらがたくさんできたと考えられる。

隕石は、全体が溶けた形跡がない「始原的な隕石」と、一度全体が溶けて科学的な分別を受けた「分化した隕石」に大きく分けられる。「始原的な隕石」は全てコンドライト(球粒隕石)で、「球粒」(コンドルール)と呼ばれる直径数ミリメートルの丸い粒がたくさん入っているためそう名付けられ、球粒と球粒の間は非常に細かい鉱物の結晶で埋められている。発見される落下隕石として最も多いLコンドライトは鉄が少ない隕石で、コンドライトのうち44%を占める。

今回発見された隕石は、衝突した屋根の一部などとともに、3月17日まで国立科学博物館で公開されている。その後、名古屋市科学館において展示・公開される予定。

画像提供:国立極地研究所