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「黄金の島」といわれた、佐渡金山の宗太夫坑に入る

新潟県佐渡市にある「佐渡金山」には、江戸時代から1989年の資源枯渇による操業停止に至るまでの史跡が保存されている。佐渡金山の金は火山活動によって集まり、岩石の割れ目などに銀や銅の鉱物とともに産出されたもので、このような金を山金やまきんと呼ぶ。江戸時代から平成まで388年間に産出した金は78トン、銀は2330トンにのぼる。

今回、いくつかある坑道コースの中から、江戸時代の坑道を忠実に再現した「宗太夫坑そうだゆうこう」に入ってみた。「宗太夫坑」は江戸初期に開発された手掘りの坑道であり、当時開削された主要金鉱脈は8本あり、東西に3000m、南北に600m、深さは800mに広がっていた。掘り進めた坑道の総延長は約400km(佐渡~東京間)に達するという。当時、職人たちは手掘りで金を掘っていたが、坑道内では、その作業工程のすべてを動く人形を使って再現している。「将棋の駒型」の小坑道や斜坑などがあり、探鉱用の狸穴にいたっては体の小さい人がやっと一人通れるくらいの狭い穴だ。空気を取り入れる煙穴もある。「斜坑」といわれる坑道は海面の下まで伸びていたそうだ。また、職人たちが休憩をとる場所も作られており、そこで作業の合間に食事や仮眠を取っていたという。「早く外に出たいなあ、おいしい酒が飲みたい」などとぼやきながら仲間たちと過ごす様子も再現されていた。

日本最大といわれた佐渡金山。400年の歳月をかけて会得した鉱山採掘技術や生産システムの発展の様子を、ここでほぼすべて見ることができる。世界でも希少な史跡とされ、2010年にはユネスコ世界遺産暫定リストに記載された。現在本登録に向けて佐渡島全島で力を結集し、準備を進めている。至るところで、世界遺産登録へのスローガンを掲げたポスターが掲出されていた。

「黄金の島」といわれた、佐渡金山の宗太夫坑に入る
坑道入り口

「黄金の島」といわれた、佐渡金山の宗太夫坑に入る
金採掘作業現場の様子を再現

「黄金の島」といわれた、佐渡金山の宗太夫坑に入る
手堀りで金を採掘している様子

「黄金の島」といわれた、佐渡金山の宗太夫坑に入る
当時実際に掘られた穴

「黄金の島」といわれた、佐渡金山の宗太夫坑に入る
職人たちの休憩場所

佐渡金山ホームページ
http://www.sado-kinzan.com/