約100mの小惑星と地球がニアミス 月よりも近くに接近していたことが判明
推定直径57~130mの小惑星「2019 OK」が、日本時間7月25日の午前10時22分に、地球からわずか7万1806km(地球と月の距離の19%)の位置を通過していたことが分かった。これは24日にブラジルのSONEAR天文台が最初に発見したもので、この小惑星自体は現在、地球にとって脅威ではないが、このような地球近傍にある小惑星が地球に落下した場合、甚大な被害をもたらすことになる。
小惑星は日々、遠くの星に向かって移動するため、一連の動きを数日間続けて撮影し、撮影画像から画像へと動く天体を探すことで発見できるとされている。しかし今回のように、天文学者が気づかないうちに地球の極めて近くまで接近した理由は、日中での小惑星発見が難しく、小惑星と地球の距離が離れるほどに暗くなってしまうので撮影が困難なためだという。
2019 OKは地球近傍の小惑星として発見される以前、他の望遠鏡で撮影されていたが、その重要性は認識されていなかった。初期段階での撮影画像により、天文学者は小惑星の軌道を把握していたという。2019 OKは楕円形の軌道を持っており、火星を越えた小惑星帯から金星軌道の内側にまで及んでいる。この楕円軌道を1周するのに2.72年かかるので、いつでも地球の近くにいるわけではない。次にある程度近くに来るのは2196年2月23日のことで、その時の地球との距離は今回より73倍離れており、月軌道よりも外側を通過するという。
その他の地球近傍小惑星の中では、2029年4月13日金曜日に、直径310~340mの小惑星アポフィスが地球からおよそ3万kmの位置を通過することが知られている。アポフィスも地球にぶつかる危険はないと考えられている。
画像提供:NASA