ドイツの省庁職員が飛行機を使いすぎ 背景に東西分断時代の名残
気候変動問題への具体的な取り組みを求める声が高まる中、欧州では、大量のCO2を排出する飛行機利用を控えようとする考えが広がっている。その一方で先頃、ドイツの省庁職員が国内移動に頻繁に飛行機を利用していることが明らかになり、物議をかもしている。
これは独ヴェルト紙が各省庁と関連機関に対して調査を行なったもので、省庁職員が公務用の国内移動に使用する年間フライト数は合計22万9116回。最も頻繁に利用されるフライト区間は首都ベルリンの空港とケルン・ボン空港の移動であることが分かった。ベルリンから540km離れたボンはかつて西ドイツの首都だった都市で、東西ドイツ統一までは、ここに主要政府機関が置かれていた。ベルリンへの首都移転後、官公庁の多くはベルリンに移転したものの一部の機能はボンに残り、すべての省庁は今も2都市に拠点を持つ。同区間は列車移動すれば最も速い手段でも5時間弱かかる。
ドイツ統一からは来年で30年目を迎えるが、省庁がいまだに2都市に拠点を持ち続けている状態にあることに対し、ドイツ納税者連盟からは「政府はベルリン1都市に、完全に拠点を統一するべき」との声が上がっている。
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