NECが「空飛ぶクルマ」の浮上実験に成功 空の移動革命へ第一歩
NEC(日本電気)は5日、「空飛ぶクルマ」の実現に向けた浮上実験に成功したことを発表した。実験は、NEC我孫子事業場に新設された実験場で行われ、試作機は1分程度で約3mの高さまで浮遊して着陸した。
近年、都市の渋滞を避けた通勤・通学や、離島や山間部での新しい移動手段、災害時の緊急搬送や迅速な物資輸送などを目的として、国内外のベンチャー企業や投資ファンドなど様々な分野の企業・団体が、空飛ぶクルマの実用化に向けた取り組みを加速している。
NECも、経済産業省と国土交通省が設立した「空の移動革命に向けた官民協議会」へ参画するなど、航空・衛星管制システムなどで培ってきた管制技術や電波監視技術、サイバー攻撃対策技術などを活かし、空飛ぶクルマの実現に取り組んできた。
今回の実験は、近未来型の空飛ぶクルマにおける機体管理の機能や飛行特性を把握するために行われたもの。同社が開発した試作機は全長約3.9m、幅約3.7m、高さ約1.3mで、4つのプロペラで飛行した。重さは約150kgで人間が乗ることはできないが、物資を運ぶ荷台がついている。また自律飛行が可能で、GPS(全地球測位システム)により機体の位置を把握し移動ができるという。
空飛ぶクルマをめぐっては、欧州の航空機メーカーであるエアバスや、米国の配車サービス、ウーバー・テクノロジーズが20年代前半の実用化を目指している。
画像提供:NEC