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スマートフォンで使えるため池防災支援システム、農研機構が発表

スマートフォンで使えるため池防災支援システム、農研機構が発表

農研機構は9日、「スマートフォン版ため池防災支援システム」を発表した。2018年度より試験運用していた「ため池防災支援システム」のインターフェイスを刷新し、新機能を追加して、ため池管理者が災害予測や災害への対応がしやすくなるように改良した。

同システムは地震や豪雨時にため池の決壊の危険度を予測するとともに、実際の被害状況を全国の防災関係者で情報共有するためにつくられた災害情報システム。2018年9月にプロトタイプとして「ため池防災システム」が発表され、その後試験運用されていたが、情報の閲覧がパソコンでしかできないことや、現在時刻から6時間後までのリアルタイム予測のみであったため、夜間に発生した災害の情報を翌朝閲覧することができないという問題があった。そこで使用者から意見を集め、システムを改良。スマートフォンやタブレットからでも情報の閲覧を可能にし、現地で情報を確認しながら災害報告ができるようになった。

また、未来予測だけではなく、現在時刻から一週間前までの情報も見ることができるようになり、夜間に発生した災害の翌朝の緊急対応が可能となった。加えてインターフェイスも刷新してスマートフォンでも使いやすく改良した。ほかにも新システムとして緊急点検報告システムを導入し、堤体*の損傷などの被害状況を全国で情報共有し、他機関で連携して災害対応を行いやすくしたという。

今後は試験運用を行い、ため池のデータベースを同システムに登録する予定。また、水位計などの観測機器も導入して、センサーネットワークを構築する研究開発を行っていく。

*堤体:水をせき止めている土の部分

(写真はイメージ)