進む農業IoT、日本国内からロシアでのイチゴ栽培を支援
オプティムは13日、ロシア連邦で東京農業大学(以下、東農大)と日立トリプルウィンが行っている日本式いちご生産の実証試験において、現場管理支援サービス「Smart Field」を提供したと発表した。このサービスにより、国境を越えた遠隔でのイチゴ栽培の支援が実現した。この実証実験の成果は、2019年9月3日からウラジオストクで開催された「第5回東方経済フォーラム」で発表された。
東農大と日立トリプルウィンは2016年6月に産官学連携協定を締結し、国内外での食・農分野の発展に貢献することを目的に農作物の国際認証の取得などで連携してきた。この連携の一環で日立トリプルウィンは、東農大が2019年からロシアの極東連邦大学と行っているウラジオストクでの日本式いちご生産の実証試験に対して「Marsun-IoT」という農業クラウドシステムを提供している。同実証試験では、オプティムが「Smart Field」という現場と遠隔地をリアルタイムでつなぐシステムを提供し、「Marsun-IoT」と組み合わせることで、日本にいながらロシア駐在の学生にきめ細かな栽培指導を実施できるようになった。
「Marsun-IoT」は環境センサー情報の蓄積と活用、労働実績や生産状況を登録することにより「農場運営の見える化・共有」を行うシステム。施設園芸の管理者や新規就農者向けのサービスで、農場の運営改善のプラットフォームを作り、環境と人の動きの最適化を促す。「Smart Field」はウェアラブルデバイスやスマートフォンを活用して、現場と遠隔地をリアルタイムにつなぐシステム。画像共有や遠隔作業支援ができるだけでなく、作業記録やタスク管理も行うことができる。この二つのサービスを組み合わせることにより、いちごの株の防除や測定の際に画像や音声認識を活用でき、入力作業の省力化を進め、また現場の課題に遠隔地からのサポートが実現できたという。
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