花便り~ムラサキシキブ
紫色の、お菓子のような小さい実がたわわに実っている。東京の核心地、霞が関でお目にかかれるとは思わなかった。
名前はムラサキシキブ。その名は源氏物語の作者「紫式部」からつけられ、紫色の実の清楚な美しさを、平安美人とうたわれた紫式部にたとえられた。学名はCallicarpa japonica(カリカルパ・ジャポニカ)で、「日本の美しい果実」という意味だ。原産は日本、東アジア。
この紫色の実が有名だが、もちろん花も咲く。初夏に薄紫色の小さな花を、実と同じくかたまり状に咲かせる。なお、白い実をつけるシロシキブ(白式部)という品種もある。
おいしそうな紫色の実。食べて、紫式部の聡明さにあやかりたい気もするが、有毒ではないものの食用ではない。見て楽しむ方が賢明なようだ。
花言葉:愛され上手、上品、聡明
ムラサキシキブ(紫式部):クマツヅラ(熊葛)科ムラサキシキブ属の落葉低木
(写真はコムラサキ)