オリオン座のベテルギウスが急激に暗くなる 超新星爆発の前兆か?
CNNで12月27日に「オリオン座のベテルギウスに異変、超新星爆発の前兆か 天文学者」と報じられた。オリオン座のベテルギウスが、この数カ月間で急激にその明るさを失っているとする観測結果が発表され、天文学者らは「超新星爆発」を起こす前触れの可能性があると指摘しているというのだ。
ベテルギウスは地球から約642光年の距離にあり、宇宙の規模から考えると非常に近い。全天で21個ある1等星の1つで、もともと星の明るさが変化する変光星として知られている。今回、観測結果を発表した天文学者の米ビラノバ大学のエドワード・ガイナン教授は、8日に「近くの赤色超巨星ベテルギウスの失神」との題で『ジ・アストロノマーズ・テレグラム』誌で報告し、12月23日には更新版の報告をしている。
12月8日の報告で同教授は、「今シーズンの測光によると、この星は2019年10月から明るさが低下しており、12月7日時点で+1.12等級と、史上最低を記録している。現在、私たちの50年にわたる継続的な観測でこの星は最も暗くなっている。光の変動は複雑で、脈動や星の表面に見られる大きな細胞状の対流構造の膨張と収縮から生じる」と述べており、これを受けてCNNが取材したようだ。
12月23日の更新版では「12月7日に異常に暗くなっていると報告して以降、ベテルギウスはさらに暗くなっている。12月19日、20日、22日に行われた最新の測定値は、それぞれ+1.273等級、+1.294等級、+1.286等級だ。しかし、1926年後半から1927年初頭にジョエル・ステビンズによって行われた測光で、ベテルギウスが+1.25等級に減少したことがある。ベテルギウスの平均した明るさは0.3から0.4等級で、全天で6~7番目に明るい星だ。しかし、2019年12月中旬には、21番目にまで転落した」と述べている。
今回、急激に暗くなったことが、超新星爆発の前兆であるのかははっきりしないが、爆発を起こした場合には昼間でも肉眼で見えるほど明るく輝くと言われている。2012年にもベテルギウスが超新星爆発を起こし、地球上の生命も滅亡すると言われたことがあったが、明るくなる以外の影響はさほどないという意見が多いようだ。
(写真はイメージ)