総務省、首相指示の携帯電話料金値下げの検討開始
総務省は19日、携帯電話の料金値下げを検討する有識者会議「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の第1回の会合を開く予定。
9月11日の経済財政諮問会議で、安倍首相がスマートフォンの通信料の負担を減らす方策を検討するよう指示したことを受けて、高市総務相は、同月15日の記者会見で、有識者会議を編制して協議し、結論を年内に出すことを明らかにした。同会議は総務省下の「ICTサービス安心・安全研究会」に設けられる。
高市総務相は9月29日の記者会見で、タスクフォースで検討すべき具体的方策について3つの具体例を挙げた。1つ目は、ライトユーザー層及び「かけ放題」が不要な顧客層を念頭に料金プランを多様化すること。2つ目は、端末価格と通信料金が事実上一体化していて、正規料金を支払う長期利用者の負担の下に、同じ電話番号で他社に乗り換える制度(MNP)などを利用して端末を頻繁に買い替える利用者が、料金割引やキャッシュバックの恩恵を受けるという不公平な現況を改善するため、端末の値引き競争からサービス・料金を中心とした競争へ転換すること。3つ目は、自社で通信網を持たずに保有事業者から借りて格安SIMなどを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)が、大手の携帯電話事業者に比べると割安な料金設定をしていることから、MVNOサービスの普及を通じて、料金の値下げ競争を促進すること。
安倍首相の高市総相への指示の直後に、収益悪化を懸念して国内携帯電話大手3社の株価が大幅安となるなど、総務省と各事業者の動向が注目されている。
(写真はイメージ)