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保育士1人に対する子どもの数は? OECD保育白書

幼保無償化で施設利用のニーズが多様化 保育士不足を加速か

「幼児教育・保育の無償化に関する意識調査」 ニーズの多様化が顕著に
幼保無償化で求められるサービスが多様に 保育の需要増加


保育に特化した求人サイト「ココキャリ」を運営するキャリアフィールド(東京都渋谷区)は15日、「幼児教育・保育の無償化に関する意識調査」の結果を発表した。幼児教育・保育の無償化(以下、幼保無償化)で施設利用の増加に加えて、「延長保育」や「幼稚園と保育園を併用」といったニーズの多様化が生じている状況が明らかになった。


同調査は、保育園や幼稚園などに子どもを通園させている女性310人と、2020年4月から通園させる予定の女性314人の合計624人を対象に、2019年11月22日~27日にインターネットより行われた。

幼保無償化をきっかけに利用しようと思った施設、サービスについて尋ねたところ、4月から子どもを通園させる予定の保護者のうち31.5%が「保育園や幼稚園などの施設の通常利用」を検討したと回答した。続いて「幼稚園の預かり保育」(18.8%)、「保育園の延長保育」(10.2%)、「保育施設以外のサービス(保育ママ、ベビーシッターなど)」(6.7%)、「幼稚園の後に保育園の延長保育」(4.5%)となった。また、すでに子どもを保育園や幼稚園などに通園させている保護者は、「保育園や幼稚園などの施設の通常利用」(24.2%)、「幼稚園の預かり保育」(13.2%)、「保育園の延長保育」(14.5%)と回答した。幼保無償化が施設利用のきっかけになっていることに加え、延長保育や預かり保育といったニーズの多様化が生じていることがうかがえた。



希望した施設のジャンルについての質問では、「認可保育園」はすでに通園させている人で47.4%だったのに対し、4月から通園させる予定の人は40.8%と6.6%減少で推移していた。一方「幼稚園」はすでに通園させている人が35.2%だったのに対し、4月から通園させる予定の人は43.3%と8.1%増加していた。幼稚園を希望する理由では、「無償化がはじまり、安く通えるから」といった回答もあり、幼保無償化が幼稚園の潜在ニーズの掘り起しに寄与していることが示唆された。

同社は今回の結果に対して、幼保無償化に伴う施設利用の増加で保育の需要はますます増えることが予想される一方、ニーズの多様化により新たな保育士の確保が必要になり、近年問題視されている保育士不足で保育の供給が困難になる恐れがあるとしている。

(写真はイメージ)