パナソニックと国循、IoT活用で軽度認知障害の早期発見を目指す
パナソニックは21日、国立循環器病研究センター(以下、国循)と軽度認知障害(MCI)の早期発見に関する共同研究を開始すると発表した。
MCIは認知機能低下の初期段階。認知症における物忘れのような記憶障害が出るものの症状はまだ軽く、正常な状態と認知症の中間段階である。これを早期に発見し適切な対応を行うことで、認知機能の向上維持、低下の遅延ができるとのこと。
今回の研究では、パナソニックが開設する高齢者向けウェルネス住宅「patona吹田健都」内のサービス付き高齢者向け住宅においてIoTを活用。居室のテレビやトイレなどにセンサーを搭載し、いつ使用しているかや、どのようにリモコンを操作しているかなどを把握。また、ドアの開閉と電力使用の状況を収集・蓄積することで、総合的に生活リズムを把握する。それらのデータと定期的に取得する医学的診断を照らし合わせながら、日常生活習慣の特徴と認知機能の変化の相関性について、同社と国循が共同で多角的に分析していく。継続的に分析を行うことで、日常生活における行動の特徴と認知機能の変化の相関性についての医学的エビデンスに基づいたアルゴリズムの開発を目指す。
今回の研究を通じて、同社は将来的に介護医療連携の仕組みの構築や、医学的エビデンスに基づいた認知機能の評価システムやサービスの開発を行い、他社介護サービス事業者などへ提案していく。