セルロースナノファイバー利用促進のための評価書を公開 NEDO
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は森林・研究・整備機構森林総合研究所(森林総研)、産業技術総合研究所(産総研)などと共同で、植物由来の新素材として期待されるセルロースナノファイバー(CNF)の実用化や普及を後押しするため、「CNF利用促進のための原料評価書」を公開した。同評価書は、CNFを利用する材料・製品メーカーが原料の特性と製品に利用した場合の適性を知る手助けとなる。
セルロースナノファイバーは、パルプなどの植物繊維をナノレベルまでほぐすと得られるもので、径が3~100nmのセルロースの繊維。再生可能な木から得られるため、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、石油由来化学品原料からの転換や二酸化炭素排出量の削減を目的とする最先端のバイオマス素材として注目されている。
今回、NEDOは大学や企業と共同で、「非可食性植物由来科学品製造プロセス技術開発」において、原料の物性を明らかにしつつ、原料をパルプ化・CNF化して、特性を明らかにし、原料の性質と関連させたCNFの性質を横断的に示した。そして、材料メーカーや製品メーカー向けにバイオマス、パルプ、CNFの特性と、様々な製品にCNFを利用した場合の適性を示し、原料の効率的な選択を支援する同評価書を公開した。
この評価書は、国産針葉樹のスギ、カラマツ、トドマツ、広葉樹のシラカバ、ユーカリ、タケなどを対象に、バイオマスの特性解析、パルプ性特性解析、CNF特性解析などにより得られた結果を総合的に解析しており、効率的に用途に応じたCNFを製造できるようになっている。なお、概要版は専用サイト閲覧ができる。
同評価書の公開により、CNFの幅広い利活用につながることが期待される。
(写真はイメージ)