オリンピックだけじゃない、世界で中止・延期になったイベント
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)によって、私たちの住む世界は大きく変わってしまいました。今はとにかくこの未知のウイルスの感染速度を抑え、非常事態の中で共生していく道を探ることが最優先となっています。
これにともない1年に1回、または10年に1回しか開催されない大規模イベントが世界中で次々と中止、延期になっています。
目次
●世界3大映画祭
フランスのカンヌで年に1回開催される、世界3大映画祭のひとつカンヌ国際映画祭が、5月に予定されていた開催日程を6月または7月に延期と発表、しかし具体的な日程は不明。
一方でベネチア国際映画祭は、予定通りの9月に開催するとしています。ベルリン国際映画祭は、ちょうどコロナ禍が欧州で拡大する前の2月20日~3月1日にかけてすでに開催されました。
●UEFAサッカー欧州選手権
サッカーの世界的強豪、欧州諸国が4年に1度対決するサッカー欧州選手権。FIFAワールドカップの中間年(夏季五輪の開催年)に開催され、欧州のサッカーファンにとってはW杯をしのぐ人気の重要イベントです。主催者の欧州サッカー連盟(UEFA)は3月18日、今年6月12日~7月12日に予定されていた同大会を1年延期し、2021年の6月11日~7月11日に開催すると発表しました。
●テニス4大大会(グランドスラム)
5月24日からの開催が予定されていた全仏オープンは、開催開始を9月20日からに延期すると発表。一方、6月29日~7月12日までの日程で予定されていた英ウィンブルドン大会は中止を発表しました。歴史ある同大会が中止になるのは、第2次大戦が終結した1945年以来で実に75年ぶり。全豪オープンは今年1月に開催済み。全米オープンは8月~9月に開催の予定。
●海外のマラソン大会
4月12日に予定されていた米ボストンマラソンが、9月14日に開催を延期。一方、ドイツのベルリンマラソンは9月27日に予定されていますが、ベルリン市で10月末まで大規模イベント開催が禁止されているため、11月開催が検討されています。
●ユネスコ世界遺産委員会
6月29日~7月9日にかけて中国福建省で開催予定だった世界遺産委員会が延期に。新たな日程は協議中。同委員会は1年に1回会合がもたれ、新規世界遺産の審議および危機遺産リストの検討などが行われています。
●東京オリンピック/パラリンピック
4年に1回開催されるオリンピック/パラリンピックの東京大会が1年延期に。2021年の開催日程はオリンピックが7月23日~8月8日まで、パラリンピックが8月24日~9月5日までとなっています。
ちなみに東京でのオリンピックは1964年に、アジア初のオリンピックとして開催されました。この前に1940年にも開催が予定されていたものの、日中戦争の影響で中止となっています。
●バイロイト音楽祭
1876年からの歴史を持つ夏の音楽祭で、世界中からのワーグナーファンが集うことで知られるドイツのバイロイト音楽祭も、今年の開催中止を発表しました。リヒャルト・ワーグナーの曽孫で音楽祭芸術監督のカタリーナ・ワーグナーさんは、「舞台美術や衣装の製作にも準備が必要。夏前にコロナが終息したとしても、間に合わない」と中止理由を語っています。
●オクトーバーフェスト
ドイツのミュンヘンで9月末~10月にかけて開催予定だった、世界最大のビールの祭典が今年は中止に。毎年世界中から200万人が集うとされる一大イベントですが、「まだワクチンが開発されていない段階では危険すぎる」として、バイエルン州首相が開催中止を決定しました。
●10年に1度のキリスト受難劇
ドイツ南部の村オーバーアマガウで10年に1回上演されるキリスト受難劇が、開催を2年延期。イエス・キリストが十字架に架けられる受難劇を、村人総出で1日かけて演じるというこの名物イベントは、今年が10年ぶりの開催年でした。1634年に始まったこのイベントは、度重なる戦争とペストの流行に脅かされていた村人たちが受難劇を演じたことで、ペストで亡くなる村人が1人もいなくなったという奇跡に由来します。