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シンガポールの郵便・電子商取引に新技術 ドローン配達実験成功

シンガポールの郵便事業会社シンガポール・ポスト(シングポスト)は8日、ドローン(無人飛行機)を利用した配達実験に成功したと発表した。ドイツやスイスでも同種の実験は行われているが、同社によれば、受取人の確認システムを搭載したドローンを利用した配達実験が成功したのは世界で初めて。

ドローンは、約2km5分間飛行して、手紙とTシャツ1枚を入れた小包を配送した。ドローンはセキュリティー機能が強化され、確実に郵便物が配送先に届くように試作品のアプリケーションを搭載していた。今回使用されたドローンが運べる重さは500gまで。上空は45mまで、距離は2.3kmまでを飛行できるという。

実験では、同社のスタッフがスマートフォンアプリで配達の手配や受取人の確認などを行い、ドローンは同社の建物の中から出発。ビルの密集する都市を目的地点まで飛行して着陸した。着陸地点でスタッフがドローンから小包を取り出し、配達先までバイクで届けることで配達に成功した。

同社は、「ドローン技術は、郵便とEコマース(電子商取引)の物流における『ラストワンマイル』に非常に大きな可能性を秘めている」「Eコマースを加速させるだけでなく、シンガポールが技術によってよりよい生活を可能にする『スマート国家』となるために貢献したい」などと述べた。また、同社のプラットフォームに合わせて開発したドローンを提供したシンガポール情報通信開発庁(IDA)は、「ドローンによる配達が実用化されるのはまだ先だが、今回の実験成功は、スマート国家をビジョンに掲げるシンガポールでの、シングポストとIDAの最初の一歩になる」とコメントしている。

(写真はイメージ)