教育機関のIT化を促進 EdTech導入補助金事業が各地で始まる

教育機関のIT化を促進 EdTech導入補助金事業が各地で始まる

昨今の教育現場では、個別最適化された格差のない公平な学びと、プログラミング教育をはじめとするSTEAM※学習を構築することが求められている。社会状況の変化も後押しし、パソコン端末や高速通信網等のICTインフラの整備と併せて、教育機関へのEdTech(エドテック)サービスの導入が急がれる。

EdTechソフトウェアやITを活用した教育サービスの教育機関への導入実証を行うEdTech事業者に対して、経済産業省が必要な経費の一部を補助することにより、産学の協力による教育イノベーションの普及を後押しするのが、EdTech導入補助金事業だ。

補助対象は、教育機関にEdTechソフトウェア・サービスの導入実証を行う事業で、一つの教育機関に対して複数種類のソフトウェア・サービスの導入実証を行うことができる、などの条件がある。今年3月から情報公開され、現在は申請された事業の審査や交付決定された事業が実施され始めている。

その一つ、プログラミング教育サービス事業を手がけるライフイズテック(東京都港区)は、学校向けプログラミング教材「Life is Tech ! Lesson(ライフイズテックレッスン)」を導入する実証校・自治体のうち、38都道府県、86自治体、約600校の学校がEdTech導入補助金の交付対象に採択された。

同社の提供する「ライフイズテックレッスン」は、生徒がそれぞれのペースでプログラミング学習できるよう設計されている。導入環境や設定がシンプルで、教員にとっては授業準備の手間がかからず、小テストや評価指標などの授業支援ツールも提供されている。来年4月に改訂予定の新学習指導要領にも対応し、サービス提供開始から1年弱で全国600校以上の中学校・高校で採用実績がある。

また、全国の公立中学校向けに無料提供するキャンペーンや、プログラミングの授業をサポートする教員研修もあわせて実施している。同社は今後も対面・オンライン授業のハイブリット型で活用できるデジタル教材の普及促進や、創造性の育成といった教育課題の解決に注力していくとしている。
 

※STEAMとは、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・芸術(Art)・数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした、理数教育に創造性教育を加えた教育理念のこと。

画像提供:ライフイズテック