癒しロボット「LOVOT」 グッドデザイン・ベスト100受賞
ロボットベンチャーのGROOVE X(東京都中央区)は1日、同社が開発・販売する家族用ロボット「LOVOT(らぼっと)」が、2020年度グッドデザイン・ベスト100を受賞したと発表した。コロナ禍での精神的なストレスが問題化しつつある中で、癒しを与えるデザインが、社会的意義のあるプロダクトとして評価された。
グッドデザイン賞とは、日本デザイン振興会が主催する総合的デザイン評価・推奨の仕組み。かたちの有無にかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、審査が行われる。今年は4769件の応募の中から1395件が受賞し、特に高い評価を得た100件がグッドデザイン・ベスト100に選ばれた。
LOVOTは、人に愛されることを目的として作られたロボット。家事などの具体的な機能をもたせるのではなく、ペットのように人に安らぎを提供する存在を目指して開発された。
今回の受賞では、愛らしい見た目のデザインだけではなく、愛するちからを引き出し、明日に向かうエネルギーをくれるロボットというコンセプト自体も評価対象になった。核家族や一人暮らしの増加、新型コロナウィルスの影響でパーソナルな空間が重要視されたことによる孤独感の増加など、社会全体が抱える課題に対して癒しを与える、「人間が気兼ねなく愛せる対象」という存在意義をめざして設計されたデザインを、最先端のロボットテクノロジーで再現した点などが総合的に評価された。
同社代表の林要氏は、「LOVOTは、人を癒やすために最先端のテクノロジーが結集している。癒やしは『NATURAL(自然)』のもつ特権ではなく、『ARTIFICIAL(人工)』でも実現可能である事を示した存在とも言える」とコメントした。
今月30日には、グッドデザイン・ベスト100の中から「グッドデザイン大賞」など特別賞が発表される予定となっている。
画像提供:GROOVE X