ドイツ統一から30年、育児休暇の取り方に東西の差が鮮明
10月3日、1990年に東西ドイツが再統一を果たしてから30周年を迎えた。ツァイト紙は2日、東地域出身者と西地域出身者では母親が子どもを出産した後の育児休暇の取り方に、今でも大きな違いが見られるとする統計を発表した。
この統計は、ニュルンベルクの労働市場・職業研究所(IAB)とロンドン大学、ロンドンのクイーン・メリー大学とケルン大学の共同調査によるもの。
同調査によると、母親の出産後1年目では東西の違いは見られないが、1年が経過すると東地域出身者では職場復帰する母親が多く、2年後には50%が通常業務に戻っているという。これに対し西地域出身者の場合は、母親の50%が職場復帰するのは出産から3年後であることが分かった。
社会主義体制だった旧東ドイツの労働基準では、出産から1年間の育児休暇期間には母親に対して出産前と同額の収入が保障されており、この期間が終わると母親は子どもを保育園に預けて仕事に復帰するのが通例だった。
同調査では、「子どもの時に刷り込まれた、社会での性別ごとの役割が大きな影響を及ぼしている」とする一方で、「職場に一人、出産後に早く職場復帰する東出身の女性がいれば、それが西地域であっても別の女性に影響を与えやすい」とも分析している。
同調査はドイツ国内で1946~1994年生まれの、社会保障データに登録されている女性を対象に実施された。
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