コロナ禍でペット市場活況 プレミアム指向高まる
新型コロナウイルス感染症の影響下で拡大傾向にあるペット関連市場。矢野経済研究所(東京都中野区)によると、2020年度、国内では小売金額ベースで前年度比103.4%の1兆6242億円になる見込みだ。
背景には、コロナ禍で飼育者による消耗品の在庫確保の需要が増加したことや、ペットを新しく買い始める人が増えたこと、在宅時間の増加に伴いペットのケアに時間をかける飼育者が増え、オーラルケアやブラシ等のケア関連用品の需要が拡大したことが挙げられる。
これに加えて近年、ペットフード分野では飼育者のプレミアム(高付加価値商品)指向が強まっているという。特にコロナ禍では、外出自粛で旅行や外食への支出が減少し、ペットにより良いフードを与えたいと考える飼育者が増えているのではないか。
国内での直近のペットフード関連や、ペット飼育者向けサービスの動きを見ていきたい。
カスタムドッグフードサービス「PETOKOTO FOODS」
シロップ(東京都品川区)の提供する「PETOKOTO FOODS」は、犬種、年齢、アレルギー、運動量などのデータを登録するだけで、愛犬のボディコンディションに応じたメニューや適正給餌量を自動診断して提案するドッグフードサービス。人間が食べる品質と同じ国産食材で調理、真空パックで瞬間冷凍して、サブスクリプションモデルで定期発送する。
また同サービスは、ペットフードロス削減の工夫や、同社が運営する保護犬猫マッチングサイトに登録する保護犬猫への寄付など、SDGsの実現を目指すビジネスモデルも評価され、2020年度グッドデザイン賞を受賞している。
HP:https://foods.petokoto.com/
人もペットも一緒に食べられるおやつとごはん「ワンズデイリー」
現在の日本の法律では、ペットフードやペットのおやつは「食品」ではなく「雑貨」という位置づけで、食品衛生の資格などがなくても販売することが可能となっている。
ワンズデイリー(東京都町田市)は、調理師、製菓衛生師、ペット食育士の資格を持つお菓子料理研究家がレシピを考案し、保健所の審査を受けヒト用の菓子を製造するための「菓子製造業」の許可を取得した厨房で、ひとつひとつ手作業で「食品」として製造。人とペットが一緒に食べられる無添加のおやつとご飯を製造販売している。
HP:https://onesdaily.com/
Amazonの「ペットプロフィール」 「獣医師フード相談」
Amazonの提供する「ペットプロフィール」は、自分のアカウントにペットの情報を登録すると登録者限定の割引やクーポン、ペットにあった商品情報などを受け取ることができるサービス。Amazonのアカウントを持っていれば誰でも利用できる。犬、猫の他、小動物や魚、鳥、爬虫類、馬も登録可能。
また同サービスに登録すると、犬、猫を対象にそれぞれの健康状態に合わせたペットフード選びをサポートする「獣医師フード相談」のサービスも同時に受けることができる。フードの選び方、栄養、タイプ、量などペットフードに関する様々な悩みに対し、専属の獣医師が電話で質問に応え、Amazonで販売するペットフードの中から最適な商品を提案してくれる。
ペットプロフィール:http://www.amazon.co.jp/yourpets
獣医師フード相談:http://www.amazon.co.jp/vetsfood
(写真はイメージ)