富士通、モビリティデータ利活用支援の統合基盤を発売

富士通、モビリティデータ利活用支援の統合基盤を発売

富士通は15日、モビリティデータの利活用を支援する統合基盤「デジタル・ツイン・コレクター」を発売すると発表した。データ量を削減し通信量を平準化することで、データの管理や通信コストを大幅に抑えることを可能とした。自動車メーカーや損害保険会社など向けに22日より販売を開始する。

コネクテッドカーの増加とともに、車両から集まるデータやドライブレコーダーの映像データなどのモビリティデータが膨大なものになってきている。モビリティデータの活用は自動車の開発だけでなく、交通監視、地図作成、自動車保険査定など様々なサービスへの展開が期待されている。

しかし、生成されるデータ量は膨大で、収集や蓄積に伴うコストが大きな負担となって、データを十分に利活用できず限定的な活用にとどまっている。

富士通はこれまでも、自動車の大量のデータをリアルタイムで処理する「ストリーム・データ・ユーティライザー」、車載カメラ映像解析プラットフォーム「デジタル・ツイン・アナライザー」を開発して提供してきた。そして今回、第3弾として提供するのがモビリティデータを仮想的に統合して管理する「デジタル・ツイン・コレクター」だ。

デジタル・ツイン・コレクターでは、大量のデータをクラウドでは保持せずに軽量なメタデータ(データにアクセスするためのデータ)のみを管理してデータを仮想的に統合する。また、データ取得要求をコントロールして大量通信を抑制して通信量を平準化する。さらに、大量のデータから類似データを排除することと必要なデータを網羅することを両立させる。

これを利用することで、自動運転システム向けの高精度な地図作成、道路管理運営会社による路上の障害物や天候などの道路環境情報の提供、損害保険会社による多角的な事故対応が可能な自動車保険サービスの提供などが可能となる。

富士通は今後、6月には北米や欧州地域での提供も開始し、あらたなモビリティ―サービスを世界的に展開していくという。

画像提供:富士通(冒頭の写真はイメージ)