世界初の商業宇宙飛行に成功 ジェフ・ベゾス氏ら民間人4人

米国の宇宙開発ベンチャー「ブルーオリジン」は、米国東部時間7月20日午前9時(日本時間7月20日午後10時)過ぎ、同社の創業者でありアマゾンドットコム会長であるジェフ・ベゾス氏を含む4人の民間人を乗せた初の商業宇宙飛行に成功した。

テキサス州西部の砂漠にある同社の発射場から打ち上げられた自社開発の宇宙船「ニューシェパード」は、4分ほどで最高高度35万1210フィート(約107km)に到達。およそ5分間の無重力状態を体験した後、ロケットは打ち上げから7分ほどで垂直のまま発射場に戻って着陸し、4人の乗ったカプセルも8分30秒ほどでパラシュートを開き、打ち上げから約10分で無事に地上に戻ってきた。

宇宙船にはジェフ・ベゾス氏の弟のマーク・ベゾス氏、およそ60年前に宇宙飛行士を目指していたウォーリー・ファンク氏、オークションで搭乗する権利を落札したオリバー・デーメン氏の4人が搭乗した。今回の飛行で、4人は国際的に認められた宇宙空間と地球の大気圏の境界であるカーマンライン(高度100km)を通過したことで、正式に「民間宇宙飛行士」になった。また、ジェフ氏とマーク氏は、宇宙を一緒に飛んだ最初の兄弟になった。

82歳のウォーリー氏は、宇宙を飛んだ最年長の人物になった。一方18歳のオリバー氏は、宇宙を飛んだ最年少の人物になったと共に、チケットを購入し、民間資金で認可された宇宙船で宇宙を飛んだ最初の商業宇宙飛行士となった。そしてニューシェパードは、再利用型宇宙往還機として有料の顧客を宇宙に飛ばした最初の商用宇宙船となった。

ブルーオリジンのCEOであるボブ・スミス氏は、次のように語った。「今日はブルーオリジンと有人宇宙飛行にとって記念碑的な日でした。私はチームブルー、彼らのプロ意識、そして今日の飛行を実行する専門知識を非常に誇りに思っています。これは私たちにとって大きな前進であり、ほんの始まりに過ぎません」。同社は今年中に、さらに2便の有人商業宇宙飛行を予定しており、2022年にはより多くの飛行が計画されているという。

画像提供:ブルーオリジン