東京の転入超過が過去最少 コロナ禍で東京圏への集中が緩和
総務省は28日、住民基本台帳に基づく2021年の人口移動報告を発表した。転入者が転出者を上回る「転入超過」が、東京都は前年から2万5692人減の5433人となり、外国人を含める方法に変更した14年以降で過去最少を記録した。東京23区は初めて「転出超過」となった。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、東京圏への集中緩和の動きが見られた。
転出者数を都道府県別にみると、東京都からの転出者数が41万4734人と最も多く、次いで神奈川県が20万4313人となった。他は大阪府、埼玉県、千葉県および愛知県の4府県が10万人台となった。これら6都府県からの転出者数の合計は120万9993人となり、転出者総数の48.9%を占めている。
前年に比べると、転出者数が最も増加したのは東京都で、1万2929人(3.2%)の増加で、東京都は5年連続の増加となっている。
また転入者数を都道府県別にみると、東京都への転入者数が42万167人と最も多く、次いで神奈川県が23万6157人、そして埼玉県、大阪府、千葉県、愛知県および福岡県の5府県が10万人台となった。
前年に比べて転入者数が最も増加しているのは茨城県で、3501人(6.6%)増加した。次いで埼玉県、神奈川県などとなっている。一方、前年に比べ転入者数が最も減少しているのは東京都で、1万2763人(2.9%)の減少だった。
東京都は転入が42万167人で都外に転出は41万4734人となり、差し引き5433人の転入超過となった。
金子総務大臣は28日の会見で、「東京都では2020年に引き続き、転入超過数が大幅に縮小した。過度な東京一極集中は災害リスクや過疎、高齢化が進む地方における地域社会の担い手不足などの点から、その是正が喫緊の課題となっている」と述べた。
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