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  • 一人ひとりの多様な個性・才能が生かされる社会に

アートを通して個性を自由に表現 Artbarのイベント体験記

個人が自由にアートを楽しむイベントが増え、生活の中でアートが身近になっている。そんな催しの一つ、東京原宿のArtbar TokyoのCat Street Harajukuスタジオで、アートを描くイベントが開催されている。ゴッホのアイリスやモネの睡蓮といった名画や様々なジャンルのアートを、飲み物やお菓子をつまみながら2時間ほどで描き上げることができるというので、筆者も参加してみた。

ゴッホのアイリスを描くセッションでは、アクリル絵の具と筆、キャンバスが用意され、講師の説明を受けて、各自が自由に絵を描いた。最初は本当に2時間で名画を描けるか心配だったが、上手に描く技術よりも、自分の思うアイリスを描くことが大事で、背景の色、花瓶の形、花の色の組み合わせも各自の自由で良いとのアドバイスだった。音楽が流れる楽しい雰囲気と飲み物を片手に、クリエイティブな時間を過ごすことができた。

セッションの前は、バーのように軽快な音楽が流れる中、飲み物を片手に語らう時を過ごす

完成後の各自のアイリスは、形や色が様々で、藍色や赤色、黄色などの個性にあふれた作品となっていた。一人ひとりの絵の個性が、技術を超えた一つの作品だという感動を得ることのできる経験となった。

アイリスを描くセッション。みな思い思いに筆を走らせる(写真は主催者提供)

イベントを開催しているArtbar Tokyoの佐藤桃実さんは、アートに対する思いをこう語る。「目指しているのは、アートを皆さんの生活にReintroduceする事です。子どもの頃は誰もが評価を気にせず作品を製作し、自分を表現したり、作品を通して他者と交流したりする事を楽しんでいました。フレンドリーにアートと接することのできる場を提供することで、あの頃のようにアートと付き合う事ができるのではないかと考えています」

芸術教育を受けていない人が生み出すアートを「アール・ブリュット」と言い、こうした作品を集めた展示が近年話題を呼んでいる。アートは人の心が形となった表現でもあり、皆が個性を表現することでアートの可能性が広がっているのではないか。

それぞれの個性に満ちたアイリスの作品(写真は主催者提供)