津波が来たら逃げる場所~仙台市内の「津波避難施設」と「避難の丘」
津波避難施設
仙台市内を車で走っていると、田園地帯に突如として見慣れない巨大な建物が現れる。
これは仙台市の津波対策の一環として建てられている「津波避難施設」だ。仙台市には仙台東部道路沿いに11か所が建設されている。
津波避難施設とは津波から人命を守るために人為的に整備された施設だ。もとは内閣府が2005年に作成した「津波避難ビル等に係るガイドライン」に沿って整備が進んでいた。それに加えて2011年3月の東日本大震災によって津波防災対策が制度化されたことで、改めて整理され、今日に至っている。
津波避難施設にはタワー型の「津波避難タワー」とビル型の「津波避難ビル」があり、消防団施設が併設されていたり公民館が隣接したりしている。
また、ただの高台としての役割だけではなく、夜間停電時対策として太陽光発電でライトが付いたり、車椅子等での避難のためにスロープがあったりする。
備蓄品の準備もあり、トイレ、洗面室完備、避難時のストレスに配慮してアコーディオンカーテンで空間を仕切れるようにもなっており、安心して避難できる配慮がなされている。
避難の丘
東日本大震災の津波で被災した仙台市若林区荒浜地区にある「避難の丘」は、海が見える場所に人工的につくられた高さ10~15mの小高い丘だ。仙台市内には4か所作られている。平常時は市民の憩いの場として、また津波襲来時には周辺住民や公園利用者、観光客らのための避難場所として活用するため整備されている。
頂上のスペースはある程度の広さが確保されている。写真の荒浜地区のものは190人、他には90~1010人と丘の大きさによって収容可能な人数は異なり、全体で約5300人が津波来襲時に避難可能だという。
丘の上から海の方を見ると、新しく植林された海岸防災林が広がっている。
また北側にはパークゴルフのグランド、南側には震災遺構の荒浜小学校が、西側には嵩上げされた県道塩釜亘理線が見える。