日本野鳥の会がシマフクロウの新保護区を北海道日高地区に制定
日本野鳥の会は16日、絶滅危惧種で国の天然記念物であるシマフクロウの繁殖地保全のために北海道日高地域の民有地を購入し、また土地所有者と協定を結び、合計25.7haの土地を野鳥保護区としたと発表した。
シマフクロウは、翼を広げると約180cmになる世界最大級のフクロウ。環境省のレッドリストで絶滅危惧IA類に指定されており、日本では北海道と北方領土に生息する。森林伐採による営巣木の減少と河川改修や砂防ダム建設による餌の魚類の減少などにより、数が減った。現在は北海道では中部から東部にかけて約160羽程度が生息している。
同会は絶滅の危惧にある鳥類の繁殖地を買い取って保護区にする活動を1986年から行なっている。シマフクロウについては、環境省の保護増殖事業者として、繁殖に利用している民有地を2004年から買い取って独自の野鳥保護区としている。
今回は、寄付金をもとに設置した基金で新たに15.8haの土地を購入。また9.9haの土地所有者と協定を結んだ。今回の土地購入により、同会所有および協定による野鳥保護区の総面積は3,662ha となった。
同会では、野鳥保護区の制定の他にも、植樹や間伐など森林環境の整備のような長期的な活動と、繁殖期の餌不足や樹洞不足を補う給餌生簀や巣箱の設置など、当面の絶滅を回避するための保護活動を行っている。
画像提供:日本野鳥の会(冒頭の写真はイメージ)
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