日本最大級の蓄電池組立工場「Power Base」 岡山に2023年新設

自然エネルギーの普及並びに蓄電・蓄電関連スタートアップのパワーエックス (PowerX, Inc. 東京都港区)は23日、岡山県玉野市内に日本最大級の蓄電池組立工場「Power Base」を建設することを発表した。Power Baseは、2023年からテスト生産を、2024年春からEV急速充電器や定置用蓄電池等製品の出荷を開始する予定。

蓄電池製品を生産するPower Baseの敷地面積は、約2万8272平米。工場の年間生産能力は最大5ギガワット時(GWh)で、年間約1万台分の蓄電池製品に相当する。蓄電池生産ライン以外に、研究開発センター、オフィススペース等も敷地内に設置する。

また人材採用については、エンジニアやオペレーター、技術者など、数年計画で百数人の雇用創出が見込まれるという。新工場は2023年にテスト生産、2024年春から年間出荷開始の予定。

工場の設計は、世界的建築家である妹島和世氏が担当する。妹島氏は、これまでにヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞を受賞した「金沢21世紀美術館」、ルーヴル美術館の別館「ルーヴル・ランス」、犬島「家プロジェクト」等、国内外のさまざまな建築物の設計を手掛けている。

パワーエックスは大型蓄電池の製造及び販売、電気運搬船の開発及び製造を手掛ける、2021年3月設立のスタートアップ企業。次世代エネルギーの大量導入に必要となる蓄電池だが、近年の世界的な電気自動車(EV)へのシフト、電力の需給調整、再生可能エネルギー発電の更なる普及などにも不可欠とされている。

これまで同社は蓄電池の導入で経済的な利益が得られる定置用蓄電池やEV急速充電器、船舶電池、家庭用蓄電池を開発してきた。今回新設する大型蓄電池工場「Power Base」により、蓄電池を活用したエネルギー・ソリューションの国内外展開を目指すという。

同社取締役兼代表執行役社⻑CEOの伊藤正裕氏は「新拠点で再エネの普及に不可欠な電池製品を大量生産し、大勢のエンジニア達と次世代電池の開発に取り組んでいきたい」とコメントした。

画像提供:パワーエックス