アート作品を観ながら街を巡る 奥久慈アートフィールド開催中
10月22日から2023年1月15日まで開催されている「奥久慈アートフィールド」。茨城県北部、福島県境に位置する茨城県大子町が、JR東日本の協力のもと主催するイベントだ。
イベント期間中、アーティストが町に滞在しながら作品を制作し、JR水郡線の駅舎にアート作品を展示する。昨年度初めて「水郡線駅舎アートコンペティション」を開催し、3人のアーティストが作品を展示したが、今年はそれを発展させたという。
選考によって選ばれた3名のアーティストは、今年6月から10月まで大子町に滞在して大自然や人々をリサーチし、それをもとに自身の作品を制作した。
大子町は日本三名瀑の一つである袋田の滝や、ハイカーに人気の男体山、久慈川といった人々を引き付ける自然を有し、観光シーズンには多くの人でにぎわう。お茶やリンゴ、良質な漆や紙の原料となる楮が取れる町でもある。
水郡線は茨城県の水戸駅から福島県の郡山駅までをつないでおり、大子町にある駅としては下野宮駅、常陸大子駅、袋田駅、上小川駅、西川駅がある。
今年、作品展示を行ったアーティストは3名。作家で演出家の私道かぴ氏、各地で火山石や砂、地層を溶かして都市の時間を戻す作品を多く制作している千葉麻十佳氏、人の繋がりの拠り所をテーマに活動する藤村憲之氏で、それぞれが大子町内の5つの駅に作品を置いている。
作品は視覚的な絵だけではなく、音声のものもあり、筆者が訪問した際に訪れていた小学生も興味深く音声を聞いていた。すべての作品を巡るスタンプラリーもあり、親子でアート巡りを楽しんでいる姿も見受けられた。
期間中、大子町を巡るイベントなども開催されている。また、すべての駅を訪れることで駅以外に存在する特別な作品を発見できるヒントを得られるので、スタンプラリーをしながら冬の大子町と水郡線を巡ってみてはいかがだろうか。