資生堂、女性研究者に1000万円助成 多様な視点でサポート

資生堂、女性研究者に助成金を授与、キャリア形成を支援

資生堂は6月22日、「資生堂 女性研究者サイエンスグラント」の第16回受賞者10名を選出したことを発表した。自然科学分野の研究テーマを対象に2007年から実施されており、受賞者には各100万円の助成金が贈られる。

同社は多様なバックグラウンドを持つ人々が持てる力を発揮し、イノベーションを生み続ける組織文化づくりのため、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を重要な経営戦略として位置付けている。同社が昨年実施したアンケート調査によると、女性研究者の8割以上が「女性ゆえに困っていることがある」と回答し、その理由は「家庭と仕事の両立が困難である」が最多だった。

資生堂、女性研究者に1000万円助成 多様な視点でサポート

女性ゆえにどのようなことに困っていますか?(複数選択) N=74

同社は「次世代の指導的役割を担う女性研究者を支援することは科学技術の発展につながる」という考えのもと、自然科学分野の幅広い研究テーマ(理工科学系・生命科学系全般)を対象に、2007年の設立以来、毎年最大10名、延べ149名の女性研究者へ研究助成を実施している。受賞者に贈られる各100万円の助成金は、出産・育児等のライフイベントと研究活動を両立するための環境整備(学会参加の際の託児費用や研究補助員の雇用等)にも柔軟に活用できる。

過去の受賞者からは、「優秀な他の受賞者との交流が次の発想につながった」、「受賞そのものが心の支えになった」、「周囲から認められるようになった」といった声が挙がっており、助成金という有形の支援に加え、ネットワーク形成をはじめとする無形の支援も有意義だと考えられる。

同社は7月6日に、「サステナブルな社会の実現を目指した女性研究者同士のネットワーク構築」をテーマにした授賞式を、資生堂グローバルイノベーションセンターにて開催する予定。女性活躍推進を積極的に推進する企業として、女性研究者の支援を通じた科学技術の発展によるサステナブルな社会の実現に貢献したいとしている。

画像提供:資生堂