
メタボの原因は朝食抜きと運動不足 名大がラットで解明
名古屋大学の研究チームは、朝食を抜いてあまり体を動かさない生活を続けると、内臓に脂肪がたまることをラットで明らかにした。いわゆる「ポッコリお腹」と呼ばれるこのような肥満は生活習慣病につながることが知られているが、その原因が運動不足と不規則な食生活だということが分かった。
生活習慣病は、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣が原因で起こる病気の総称だ。特に、内臓に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」は、糖尿病や高血圧などの病気と深く関わっている。しかし、これまで脂肪分が多い食餌を実験動物に与えても全身型の肥満になるだけで、どのようなメカニズムが内臓脂肪型の肥満を引き起こすのか分かっていなかった。
研究チームは実験用のラットを使い、活動量を半分に減らし、さらに朝食を抜いた群とそうでない群とを比較した。その結果、朝食を抜いた群の体重は増えなかったものの、内臓脂肪が増えることが分かった。活動量を半分に減らしただけや、朝食を抜いただけでは内臓に脂肪がたまらなかった。これらから、朝食を抜くことで体内のリズムが乱れ、脂肪の代謝がうまくいかなくなって内臓脂肪の蓄積を引き起こしていると考えられる。
つまり、朝食を規則正しくきちんと食べ、日常生活で適度に体を動かすことがポッコリお腹の予防に繋がると考えられる。今後は、人間においても同様の効果があるかを確認する研究が進められるだろう。また、具体的な食事内容や運動とまでは言わずとも、どの程度体を動かせばいいのかなどを研究することで、生活習慣病の予防や改善に繋がると考えられる。この研究結果は、2024年9月にイギリスの科学雑誌『サイエンティフィック・リポーツ』に掲載された。

画像提供:名古屋大学(冒頭の写真はイメージ)