ストレスチェック開始間近 社員と企業に認識のずれ?
12月1日から従業員50人以上の企業にストレスチェック制度が義務化される。社員は何にストレスを感じ、企業はどのようにストレスを軽減させようとしているのだろうか。
マクロミル(東京都港区)が11月27日に発表した調査結果によると、働く男女の86%がストレスを感じており、その原因としては「仕事内容」(62%)、「職場の人間関係」(58%)が多くなった。一方で「睡眠」は24.6%、「勤務時間」は16.3%と比較的少なかった。
また、エン・ジャパンが11月4日に発表した調査結果によると、仕事でのストレスを感じている人は67%となり、ストレスを感じる点は「同僚・後輩との人間関係」(42%)、「上司との人間関係」(40%)が多く、「仕事の量が多い」(17%)、「勤務時間が長い」(13%)は比較的少なかった。これらから、社員の多くは職場の人間関係に多くストレスを感じており、残業など勤務時間からストレスを感じている人は比較的少ないといえる。
一方、エン・ジャパンが11月27日に発表した調査結果によると、残業時間の削減に取り組んでいる企業は87%と、昨年の83%より増えており、最も多い理由が「従業員の健康のため」(71%)となった。コメントにも「メンタル面での不調者を出さないためにも必要」といったものがあった。同社はこの背景が、ストレスチェックの義務化である可能性があると考えている。ただ、実際に社員が最もストレスを感じている点は残業時間ではないといえるため、残業時間の削減がストレス軽減にどれほど効果があるかは疑問である。
エン・ジャパンが10月22日に発表した調査結果によると、ストレスチェック義務化によって、「ストレスがあると判定された社員への過剰な配慮」(41%)が起きることや、「形だけ実施するのみにとどまり、効果はない」(36%)と考える企業が多く、各社のコメントには、制度の有効性は認めつつも、効果面を不安視しているものが多かった。
ストレスチェック制度を実体的に活用していくためにも、社員がストレスを感じる点について正確に把握し、職場の人間関係の面で適切な対処をすることが、今後企業には求められるだろう。
参考記事
ストレスを減らすには、残業軽減より人間関係改善
「ストレスチェック」準備進める企業は49%
(写真はイメージ)