世界農業遺産に日本3地域が認定
国際連合食糧農業機関(FAO)は、日本の岐阜、和歌山、宮崎、バングラデシュの計4地域の農業システムを15日、世界農業遺産に認定した。
世界農業遺産GIAHS(Globally Important Agricultural Heritage Systems、ジアス)とは、伝統的な農業と農法、農村文化・景観などを「地域システム」として一体的に維持保全・継承することを目的としたプログラム。2002年から始まった。今回GIAHS運営・科学合同委員会において認定されたのは、岐阜県長良川上中流域の里川のシステムを利用した鮎の漁法、和歌山県みなべ・田辺の土壌養分が乏しい斜面での梅栽培システム、宮崎県高千穂郷・椎葉山の山間地農林業と、バングラデシュの「浮き畑」農法の4地域。「浮き畑」農法は草木類で構築するユニークな水耕栽培システムで、洪水に見舞われる地域で発達してきたもの。
日本ではこれまでに、新潟県「トキと共生する佐渡の里山」、石川県「能登の里山里海」、静岡県掛川「静岡の茶草場農法」、熊本県「阿蘇の草原の維持と持続的農業」、大分県「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」が認定されており、今回の認定を合わせて8地域となる。
これまで全体ではアフリカやラテンアメリカ、近東やアジアなどの地域が認定されており、今回認定の4地域を合わせると合計15カ国、36地域。実は日本が2割以上を占めている。日本には、まだ守り継ぐべき農業遺産が隠れているかもしれない。
(写真はイメージ)