2016年の花粉症 シーズン前の対策(2)~セルフケアのポイント
第1回の記事では、花粉症発症の仕組みやタイプの違いなどについて解説した。
医師に相談して行なう治療と並行して、自分で行える対策も色々とあるので紹介したい。
【(1)花粉の飛ばない場所に避難する】
「花粉の飛ばない場所」へ避難すれば、そもそも花粉に接触せずにすむ。避暑地ならぬ「避粉地」とネーミングして売り出したりしているところもあるくらいだ。有名なところとしては以下がある。
・北海道:道南を除き、スギがほとんどないので花粉も飛ばない。ただし、北海道では白樺による花粉症が起こるかもしれないので注意が必要だ。
・沖縄:スギが育ちにくいので、花粉も飛ばない。特に4月は、沖縄が一番快適な気候となる時期なので、避粉ツアーとして人気がある。
・東京の諸島部:東京都の島の中でも本土に近い、八丈島や三宅島は花粉が飛ぶが、1000km離れた小笠原まで離れると飛ばない。
花粉シーズンに避粉地へ行くことが困難であれば、次の方法を試してほしい。
【(2)花粉症対策グッズを使う】
花粉との接触を減らすために、さまざまなグッズがある。
・鼻に対して:マスク、鼻マスク(鼻腔に挿入する栓)、花粉ブロッククリーム(鼻腔に塗って花粉が粘膜から入るのをブロックする)
・目に対して:ゴーグル、洗眼液
・喉に対して:うがい液
・全般的に:空気清浄器、花粉防止スプレー(花粉が服、顔、髪に付着しにくくなるような成分)、花粉防止コート
【(3)鼻うがいをする】
洗眼やうがいと違って鼻を洗浄するのは痛いのでは?と心配する人もいるが、痛いのは真水による刺激である。生理食塩水を使えば体液の成分に近いため、目や鼻の粘膜に触れても痛くない。方法は以下の通り。
・生理食塩水をつくる。
ぬるま湯(煮沸してカルキを飛ばしたもの)に塩を入れてよくかきまぜる。濃度0.9%程度が望ましいので、コップ1杯(180ml)に対して、塩1.5g(1つまみ)ぐらいの量がちょうどよい。これを都度作って使用する。
・洗う
片方の手に生理食塩水をすくい、もう片方の手で鼻の穴を指で塞ぎ、ゆっくり吸い上げる。そして、そのまま鼻から出す。左右の穴について3回ずつ繰り返す。
鼻うがいをするときには以下のことに注意してほしい。
・顔は下を向けたまま行うこと。
・直後に勢いよく鼻をかまないこと。必ず水が垂れるが、ふき取るだけにしておく。
・食塩水を吸い込む時に飲み込まない。唾や洗浄液が、開いた耳管(じかん)に入り、 中耳炎の原因になる。
・後鼻漏(鼻汁が外ではなくのどに流れてくる)の症状がある場合、鼻腔内に洗浄液が残りやすいので、鼻うがいは行なわない方がよい。
花粉症対策グッズを使用したり、鼻うがいをしたりするだけでも、かなり軽減できるはずだ。
(注:情報のご利用にあたっては、必ず主治医と相談したうえで、自己責任でお願いいたします。情報利用の結果、問題が発生しても、責任を負えないことをご了承ください。)
(写真はイメージ)