加齢による薄毛や脱毛の原因を究明 東京医科歯科大学

東京医科歯科大学の西村栄美教授らが、加齢による薄毛や脱毛の原因をつきとめた。毛を生やす小器官である毛包の幹細胞が分裂を繰り返すうちに自己複製できなくなり、毛包自体が小さくなって生えてくる毛が細くなって失われ、ついには表皮の細胞となって、フケ・垢として皮膚表面から脱落していくことがわかった。米科学誌サイエンスの2月5日号に掲載された。

老化の仕組みについては古くから研究されてきたが、実際に体内でどのような変化が起きているのかよく分かっていなかった。同研究チームは、マウスも加齢によって薄毛が見られることに注目し、毛包幹細胞を生体内で長期に渡って追跡した。その結果、毛包幹細胞の維持に重要な17型コラーゲンが分解されると、毛包幹細胞が表皮の細胞になることをマウスで見出し、ヒトの頭皮の毛包においても同様の現象を確認した。さらに、遺伝子操作によりマウスの毛包幹細胞が17型コラーゲンを過剰に出すようにすると、毛包の縮小を抑制できることがわかった。

今回に発見により、「幹細胞を中心とした老化プログラム」の存在がはじめて明らかにされ、その制御によって脱毛症の治療法開発やその他の加齢関連疾患の予防や治療に繋がることが期待される。

 
加齢による薄毛や脱毛の原因を究明 東京医科歯科大学

画像提供:東京医科歯科大学

 
(冒頭写真はイメージ)

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