地図と「ひみつ」をテーマの展示 埼玉県立文書館
埼玉県立文書館(さいたま市浦和区)では、28日まで「地図のひみつ ひみつの地図」展を開催している。同展では地図の仕組みや、戦時中の軍事秘密図、江戸期の発禁図や世界図などを「ひみつ」というキーワードを通して紹介する。
日常でよく使う地図だが、外交と戦争において機密性の高い重要資料とされた時代もあった。また、近年頻発する自然災害により、津波や地震への備えのため、その地域の過去の様子を知る資料として古地図への関心が高まっているという。同図書館では1992年に都道府県としては全国初の地図資料を収集・保存・活用する「地図センター」を開設し、現在約 7万5000 点の地図資料が収蔵されている。
テーマ別にさまざまな地図が展示される。展示の一例は以下の通り。
<鎖国時代のひみつの世界図・日本図>
1807年に江戸幕府が天文学者や蘭学者らに命じて作らせた「新訂万国全図」など。
<ひみつの世界地誌>
儒学者・新井白石が1708年に潜入してきたイタリア人宣教師シドッチを審問して得た世界事情やキリスト教の大意をまとめた『西洋紀聞』など。
<ひみつの伊能図>
伊能忠敬(1745~1818)の「大日本沿海実測図」と、江戸幕府により厳重に管理されたために一般に知られることがなかった業績が再評価されるようになった経緯について。
(写真はイメージ)