喫煙で増える死 新たな疾患が明らかに
新たに7つの疾患について、喫煙によって死亡数が増加することが解明された。
従来、21の疾患(12種のがん、6種の心血管疾患、糖尿病、慢性肺疾患、肺炎)について、喫煙が死亡数を増加させることが知られていた。ただし、対象となった疾患が限定されているため、喫煙の影響は過小評価されている可能性が高い。対象とする疾患を増やして、より正確に評価することが期待されていた。
米国がん学会の研究者であるブライアン・カーター氏らは、31の疾患を加えた52疾患について、96万人の集団を追跡調査した。その結果、新たに、腎不全、腸管虚血、高血圧性心疾患、感染症、各種呼吸器疾患、乳がん、前立腺がんの7つが、喫煙により死亡数が増えるという因果関係が確認され、ニューイングランド・メディカルジャーナル(2015年2月号)に発表した。
この研究では、喫煙による死亡数が増えるが、因果関係は確認されていない疾患が残されていること、過去に喫煙歴があっても、禁煙に踏み切ると、禁煙期間に応じて、死亡を増やす影響力が低下することも同時に明らかにされた。禁煙を始めるのに、遅すぎることはない。